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私が住む自治体のために、挙手!スイスの地方政治 タウンミーティング
Gipf-Oberfrick
ギプフ・オーバーフリックバスカランさんはスイス国籍を取得できるか?
運命が決まるタウンミーティング開始直前のサンギーサ・バスカランさん
Kammersrohr
カンマースロール居間で繰り広げられる民主主義
ウエリ・エムヒさん、カンマースロール村長
Bassersdorf
バッサースドルフ夏フェス
エルヴィラ・ヴェノスタさん、バッサースドルフ市役所職員
バッサースドルフ
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エッギヴィール「タウンミーティングに出席しない理由は…」
住民
建設会社経営 建設会社経営
建設会社経営 建設会社経営
「何か特別なことがあれば必ず参加する。例えば20年以上前になるが、村への入り口に架ける橋についての決議があった。橋を、木製とコンクリート製、どちらにすべきかがテーマだった。建設会社の経営者として自分にとっては重要なことだった。何年もの間、危険な1車線の木製の橋を通っていたからね。その結果、木橋の横にコンクリート橋も作られた」
ヴェルナー・ユッツィさん 工務店経営者
ヴェルナー・ユッツィさん 工務店経営者
ソニヤ・フォーゲルさん 専業主婦、母親
ソニヤ・フォーゲルさん 専業主婦、母親
ゴットフリート・ヒルスブルンナーさん 年金生活者
ゴットフリート・ヒルスブルンナーさん 年金生活者
「若い頃は張り切って参加したものだ。世界を変えたかったからね。今はそんなことは無理だと分かっている。昔は自分の町について一般の関心も高かった。行政が発行する投票用冊子がいけないのかもしれない。あれを読めば詳しいことが分かるので、わざわざ出席しなくてもと思ってしまうのかもしれない」
ハンス・ケルンさん 民宿経営
ハンス・ケルンさん 民宿経営
「以前、非常に盛り上がったタウンミーティングのことを覚えている。従業員の出入りが激しく、雰囲気の良くない老人ホームが議題に上った時のことだ。私自身の母親が当時入居していたので事情を知っていた。だからミーティングでも発言して長々と弁舌をふるったよ。ちょっと長すぎたかもしれないが、村長は喋らせてくれた」
「話し終わると、盛大な拍手が起こった。結果的に、ホームの責任者が解雇されることになった。そういうところがタウンミーティングのいい面だ。とても直接的な形で民主主義が実践されている」
ツュルヒャー家
ツュルヒャー家
クルト・マイアーさん レストラン「ベーレン」店主
クルト・マイアーさん レストラン「ベーレン」店主
「初参加は中学3年生の時。ある旅館の購入が議題だったが、推理小説のように面白かった!今日も行くつもりだよ。忘れなければね!
ベルンハルト・ヴュートリッヒさん 肉屋
ベルンハルト・ヴュートリッヒさん 肉屋
エッギヴィールのタウンミーティング
実際、7人の参事と1名の書記、そして新たに選出された参事とその妻の他に、タウンミーティングに現れたのは、村全体の有権者1891人中、男性8人と女性3人のみ。22人という数字は、有権者のわずか1.1%に過ぎない。
ミーティングは票読み人の抽選で始まった。参加者の中から白羽の矢が当たったのは養蜂を営むある住民。「彼が普段数えているのはミツバチだがね」と、村長が冗談めかす。
さっそく年次会計書の報告に入る。有権者は質問を許されている。「幼稚園が2年制となり収支に影響はあったか」という質問が出るが、誰も答えられずうやむやに終わる。その質問者と村長とは、言葉使いから判断して親しい間柄らしい。投票の結果は反対1票、賛成21票で承認された。
次に住民からの問題提起や質疑応答に移る。ある養蜂家が参事会に感謝の意を述べる。ミツバチの群れ一つにつき20フラン(約2200円)の助成金支給を決定したという通知を受け取ったという。「実に素晴らしい。これは非常に嬉しい兆しだ!」。養蜂家はドラマチックに声を張り上げた。
村長は父親のような笑みを浮かべると、次の質問者に注意を向ける。「村の老人ホームを巡る騒ぎは何事だ。地元の新聞が書き立てている。村として何か対応しているのか」。これに対し村長は「新聞の書くことを全て信じるな」とそっけない。
別の住民が口を開いた。「今日叔父の葬儀を出したが、生前暮らしていた老人ホームのことは、とても居心地がいいと言っていた」。この発言で、前の質問者は納得した様子を見せる。
3番目に発言したのは、その老人ホームの取締役会のメンバーだった。スイスでは介護職が不足しているため些細な理由で職員が辞めてしまったと語るs。これについて説明を、と迫るが、村長に遮られてしまう。すると質問者は椅子から立ち上がって「一切異議を認めないなら郵便投票にすればいい!」と怒鳴り、顔を赤くして荒々しい足取りで体育館を去って行った。
「バイバイ、エーリヒ*」。村長はそう言ったきり、気にする様子もなく質疑応答を続ける。田園射撃大会参加の呼びかけや、託児所の需要があるかどうか周囲に確認してほしいという参加者への依頼などの後、引退する参事へのはなむけの言葉と新参事歓迎のあいさつを最後にタウンミーティングは終了した。そして一同はレストラン「ベーレン」に場所を移し、ビールと軽食を楽しむのだった。
*名前は変更しています。
Sibilla Bondolfi
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Troistorrents
トロワトラン村の民主主義を左右する「雪」
リュック・フェレさん、シャンペリー村長
Lokaldemokratie
弱まる民主主義暗雲立ち込めるタウンミーティング
クロード・ロンシャン氏、政治学者
自治体の衰退
自治体の衰退
だがこの30年間で全体の4分の1を超す約800の自治体が消滅。2018年初め時点で2222の自治体が存在する。
自治体数が大幅に減少した理由は合併だ。財政問題や人手不足を解決する方法として合併が推し進められてきた。
しかし自治体の合併には代償も伴うことが最近の調査で分かった。代償の一つは、ここ30年来で下降傾向をたどる政治参加が合併によりさらに少なくなることだ。
基本的に、自治体の規模が大きいほど政治参加が少ない。人口の1%未満しか参加しないタウンミーティングもあった。
スイスでは現在、自治体の約5分の1でタウンミーティングが廃止され、半ば職業的な市町村議会が導入されている。特に大きな自治体や、フランス語圏のスイス西部、イタリア語圏のティチーノ州でその傾向が顕著だ。
だが市町村議会が最善の策というわけではなく、再びタウンミーティングに戻した自治体も存在する。
Renat Kuenzi
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